最期の『ブラック・レイン』

blackrain

リドリー・スコット監督の作り出す暗闇の中の健さんを館内で観てきた。暗闇で光る眼光が違う。

主演のマイケル・ダグラス演ずるN.Y市警のコンクリン刑事の眼光は、自分の意見が通らない日本で自己主張の眼をしていたが、高倉健演ずる大阪府警の松本警部補のそれは、組織に属する刑事として自分を抑えた眼なのだ。

そして外国人のコンクリン刑事に話しかけるとき、日本の警察の仕事の事情を理解してくれよと言わんばかりの訴えるその実直な眼が、やはり抑制された自分というのを表現している。

映画館ではBGMがその男たちの背中に流れるように静かに光っていた。ハンス・ジマーのBGMが評価されているのが分かった。暗闇で聴く音楽っていうの。

そしてツンツンヘアーでお洒落なスーツを着たヤクザ役の松田優作が、いかにもあのバブル時代を象徴していた。イケイケでパワーがありながらもスタイリッシュ。やはり同時代のとんなるずとかぶる。みなさんのおかげですの頃の…。外国人監督にはあの頃の日本がそう見えたんだね。

館内は健さん目当てなのか年配な方々が多く、昭和なかんじに湿っていました。でもビックリしたのはその帰りの天文館のアーケード。映画内で描かれた日本的な電飾のそれでした。クリスマスだけに強調されて小雨まで降ってて。この国変わってないよ~。

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最期の『ブラック・レイン』 への1件のフィードバック

  1. オオパチ のコメント:

    fumixはんの記事いいぎゃ! 確かにバブル期を思いだすぎゃ!

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