『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』

大塚英志『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』を読んでいる。ところどころ力が入っていると思われる記述は、具体例を考えながら読んでても分かりにくい。自分だけが分かるというまさに彼がおたくなのだろうと思う。ただ豊富な具体例は80年代を生きたものにとって非常に身近だ。

今年はやっぱりAKB48だろうというのは周知の事実だが、これが何を意味するかは謎だ(まあ謎とか言ってるのもどうかですが)。おにゃんこの再来というひとは多いが、いまいちな感がする。そこでこの本を読んだら、すでに80年代に仮想と現実というキーワードがあり、私らがよく知っているアイドルのことが出ている。少女隊はレプリカントを志向していた、というのは衝撃的でした。レプリカントというのはSF映画「ブレードランナー」に出てくる近未来のアンドロイドのことで、作中ではマネキン人形と並行的に描かれてたりしてました。つまり感情とか表情とかがもはや人形的というか。

私はアイドルを知らない。いやアイドルの時代を知らないと言ったほうがよい。松田聖子や中森明菜、とそれに続く花の何とか年組の頃は小学校低学年でした。キョンキョンくらいから時代とリンクしてますが、このアイドルはその後脱アイドルというかそういう世界でしたので、やっぱりないんですよね。そのせいかカワイイ系にはあんまり惹かれないというか関心が薄いかんじ。これは現実的にもよかったと思います(笑)。アイドル全盛だったいまの40代と語るとすごくそこを感じますよね。

カテゴリー: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください